?> 最終更新日: 更新日: 2025年9月29日 作成日:2025年9月29日
湯島御霊社(ゆしまごりょうしゃ)|御霊八所を祀る小社の由緒とご利益(文京区湯島 本郷三丁目駅)
湯島御霊社(ゆしまごりょうしゃ)は、湯島天満宮とは別の小さな神社です。
平安期に広まった御霊(ごりょう)信仰に由来し、非業の最期や冤罪に遭った人々の霊を慰め鎮める「御霊八所」をおまつりします。道真公の荒魂とされる火雷神を配祀するため学業成就・合格祈願に訪れる人も多く、あわせて厄除・災難除けの祈りを捧げる場として地域で大切にされています。
「ねこまつり at 湯島 2025」の会場としても使用され、2025/9/27(土)・10/4(土)・10/11(土)の3日間は、11:00〜16:00に境内へ期間限定の「ねこまつり神社」が登場します。
当日は御霊社 社務所にて、ねこまつりオリジナルの御朱印・おみくじ・お守りなどを頒布。
- 湯島御霊社(ゆしまごりょうしゃ)
- 創建:1710年(宝永7年)
- 例祭:9月18日
- 住所:東京都文京区湯島2-11-15
- アクセス:東京メトロ丸ノ内線・大江戸線「本郷三丁目駅」徒歩約8分/東京メトロ千代田線「湯島駅」徒歩約9分/JR「御茶ノ水駅」徒歩約10分
- 通称:畑の稲荷/大根稲荷/新花稲荷(周辺が菜園だった時代の名残)
※湯島御霊社は京都・上御霊神社の御分霊(ごぶんれい:ご祭神を分けて勧請すること)に由来します。宝永7年(1710)、輪王寺宮(りんのうじのみや:皇族)の御隠殿(ごいんでん:住居)をこの地に建てる計画が立ち、整備の一環で当社も現在地へ移りました。のちに計画は中止となり跡地が畑になったため、「畑の稲荷」「新花稲荷」と呼ばれるようになった――という由来です。
ご利益
- 災難除け・厄除
- 学業成就・合格祈願(火雷神=道真公の荒魂を配祀)
- 書道上達(橘逸勢:三筆の一人)
祭神(御霊八所)
- 崇道天皇(早良親王)
- 井上皇后(井上内親王)
- 他部親王(=伊予親王)
- 火雷神(菅原道真の荒魂)
- 橘 逸勢
- 吉備大臣(吉備真備)
- 文屋宮田丸(文室宮田麻呂)
- 藤太夫人(藤原吉子)
※合殿:輿財恵門稲荷、大己貴神(おおなむちのかみ)。表記は資料により揺れがあります。
湯島御霊社の桜
境内説明文
旧く怨霊の活動を鎮めるため御霊鎮祭が行なわれるようになり、特に著名なものは貞観五年(863)の神泉苑での御霊会とされている。これを契機に華やかな祭礼が営まれるようになった。
奈良時代から平安時代(710~1192)にかけては都を中心に盛んになり近世にはいると旅の宗教家によって各地方に御霊信仰が説かれて広がりをみせるようになった。 六所御霊または八所御霊の名称があるが、御霊は習合する傾向をもち中小御霊は、より強力な御霊に統合されるという教義から出た名称である。
当御霊社は縁起によると旧く御霊八所神社と呼ばれたが、大正十二年に御霊神社と改めた。通俗には「畑の稲荷」と呼ばれ祭神は崇道天皇、井上皇后、他部親王、火雷神、橘逸勢、吉備大臣、文屋宮田麻呂、藤太夫人の八座で、合殿に輿財恵門稲荷並に大己貴神を祀っている。
宝永七年(1710)輪王寺宮の御隠殿を当所に営ませる時に上野より移されたものである。
現在の社殿は太平洋戦争により灰燼に帰したるものを戦後、仮殿として復興して、さらに令殿本社殿の建立となったものであり、例年大祭を毎年9月18日に執り行う。
1973年1月 文京区・文京区観光協会
湯島御霊社の場所