?> 最終更新日: 更新日: 2025年10月13日 作成日:2025年10月13日
藝大コレクション展2025 名品リミックス!2025年10月7日〜11月3日|「学び」と「模写」から名品を読み直す(台東区上野公園 東京藝術大学大学美術館)
東京藝術大学大学美術館(上野公園)のコレクション展。テーマは、芸術家が先人の名作に学び、「うつす(模写)」やスケッチを通じて深めてきた学びのかたち。学内に蓄積された約3万点の収蔵品から、国宝・重要文化財級の優品と、これまで紹介機会の少なかった教材・模写・図版資料を横断的にリミックスして見せる企画です。 会場は本館・展示室1、10:00〜17:00(入館16:30まで)、月曜休(ただし10/13・11/3は開館、10/14休)。一般500円・大学生250円、高校生以下無料。
会場は本館・展示室1のワンフロア構成で規模は小さめですが、国宝や重要文化財を至近距離でじっくり見られるのが何よりの魅力。人波が途切れるタイミングも多く、作品と静かに向き合える展示でした。
会期は短めなので、気になる方は早めの来館がおすすめです。
- 会期:2025年10月7日(火)〜11月3日(月・祝)/10:00-17:00(最終入館16:30)
- 休館:月曜、10/14(※10/13・11/3は開館)
- 会場:東京藝術大学大学美術館 本館 展示室1
- 観覧料:一般500円、大学生250円/高校生以下・18歳未満 無料/障がい者手帳提示の方と付添1名 無料
企画の背景|135年以上にわたる収集と教育の蓄積
藝大(前身の東京美術学校を含む)は、開校前から学生の学びに資することを目的に古今東西の作品・資料を収集。現在は約3万件規模に達し、教育用の教材・模写・スケッチも厚く蓄積されています。本展はその厚みを「名品×教材」の横断編集で体感させる試みです。
見どころ1|「名品と対話する秋」--国宝・重要文化財と近代の名作
古画から近代日本画・洋画・彫刻まで、藝大の"核"となる名品をいっきに鑑賞。たとえば、国宝《絵因果経》、重要文化財の《小野雪見御幸絵巻》、尾形光琳《槙楓図屏風》、橋本雅邦《白雲紅樹》、修復を終えた高橋由一《花魁》などが並びます。彫刻では平櫛田中《鏡獅子》《鏡獅子試作》や、同氏が教育のため蒐集したコレクションも紹介してます。
見どころ2|令和の新収蔵品--退任教員の寄贈作、初お披露目
藝大には退任教員が自作を大学へ寄贈する伝統があり、本展では近年収蔵された作品群をまとめて初展示。手塚雄二《夢模様》、北郷悟《床屋の森》、坂田哲也《わたしの肖像》、上原利丸《振袖 松竹梅・廻》、保科豊巳《雨の記憶》など、現代の"藝大らしさ"を示す多彩な表現が見どころです。
見どころ3|特集1「小場恒吉『日本文様史』図版資料」--文様学の礎
東京美術学校で「日本文様史」を教えた小場恒吉(1878-1958)が、国内外の考古・古美術を実地調査し緻密に模写した図版群を特集。《広東錦》(重要文化財)や《金錯狩猟文銅筒》(重要文化財)と、それを読み解く展開図・模写資料をあわせて展示し、文様の変遷を"見る学び"として提示します。
見どころ4|特集2「うつしてまなぶ」--狩野派・住吉派・西洋古典の模写
"写すこと=創造の源泉"に光を当てる特集。狩野派の狩野常信《鳳凰図屛風》や家伝資料、住吉家の粉本、西欧古典絵画の模写(和田英作《受胎告知》など)に加え、大河原典子《薬師寺蔵国宝「吉祥天画像」現状模写(麻布)》、福田美蘭《秋--悲母観音》といった"学びから生まれた表現"まで射程を広げます。