最終更新日: 更新日: 2025年11月23日 作成日:2025年11月23日

加藤八幡神社(八幡神社)|伊予大洲藩加藤家上屋敷の邸内社(台東区台東・御徒町公園)

御徒町公園内に鎮座する加藤八幡神社(社殿全景)

2025年11月23日撮影

台東区台東四丁目、御徒町公園の一角にひっそりと鎮座する加藤八幡神社(八幡神社)
江戸時代、この場所には伊予大洲藩加藤家の上屋敷があり、その邸内社として地元・愛媛の大洲八幡神社から勧請されたのが始まりと伝わります。現在は公園の緑に囲まれた小さな祠ですが、社殿の四面に彫刻が施されているなど、さりげなく見どころの多い八幡さまです。

  • 名称:加藤八幡神社(八幡神社)
  • 住所:東京都台東区台東4-10-7(御徒町公園内)
  • 最寄り: 東京メトロ日比谷線「仲御徒町駅」徒歩約2分/ JR山手線・京浜東北線「御徒町駅」徒歩約5〜6分/ 都営大江戸線「上野御徒町駅」徒歩約4分/ 東京メトロ銀座線「上野広小路駅」徒歩約4分
  • ご祭神:八幡大菩薩(八幡神)
  • 社格・由緒:伊予大洲藩加藤家上屋敷の邸内社として創建。大洲八幡神社からの勧請と伝わる。

御徒町公園内に鎮座する加藤八幡神社(社殿全景)

2025年11月23日撮影

御徒町公園の一角、低い柵に囲まれた小さな社殿が加藤八幡神社です。
公園の遊具エリアや広場から少し奥まった位置にあり、都会の真ん中ながら意外と静かな空気。社殿は小祠ながら、四方の壁面に彫刻が施されていて、近づいて眺めると細かな意匠も楽しめます。右手側には池や植栽が整えられた庭のようなスペースもあり、公園全体の中で一段と落ち着いた雰囲気のゾーンになっています。

歴史

江戸時代、この一帯には伊予大洲藩加藤家の上屋敷が置かれていました。現在の御徒町公園と御徒町台東中学校(旧・御徒町小学校)の敷地が、当時の屋敷跡とされています。

加藤八幡神社は、その屋敷内に祀られた邸内社(屋敷神)で、加藤家の地元・愛媛県大洲市にある大洲八幡神社からご祭神を勧請したと伝わります。大名屋敷の邸内社の多くは、時代の流れとともに失われたり、別の場所へ移されたりしましたが、この八幡さまは公園整備の中で残され、今も地域の神社として維持されている点が特徴的です。

また、この周辺は江戸時代、大名屋敷の周りを御徒(おかち)の組屋敷が取り囲んでいた地域で、その名残が「御徒町」という地名に残っています。屋敷神としての八幡さまが、公園の小祠として現在まで伝わっていること自体が、この土地の歴史を静かに語っているように感じられます。

ご祭神・ご利益

八幡神社

2025年11月23日撮影

ご祭神は八幡大菩薩(八幡神)。全国に多数ある八幡神社と同じく、武運長久・勝負運・厄除けなどのご利益で知られる神さまです。もともと大洲藩加藤家の屋敷神であったことを考えると、家の安全や一族繁栄を願う信仰から始まり、今では公園を訪れる人々や地域の人たちを見守る存在になっているといえます。

大きな社殿ではありませんが、通勤・通学の行き帰りにふと立ち寄って、日々の無事や小さな願いごとをお願いするのにちょうど良い規模感。周囲の高層ビルとのギャップもあり、時間が止まったような静けさを感じることができます。

昭和橋

昭和橋

2025年11月23日撮影

鳥居をくぐるとすぐに小さな橋があり、欄干に「昭和橋」と刻まれています。公園の一角ながら、橋を渡って社殿へ向かうことで、日常空間から神域へと気持ちが切り替わるような雰囲気がありました。

鳥居

鳥居

2025年11月23日撮影

鳥居の裏側には「昭和七年五月吉日」と刻まれており、昭和初期からこの場所を見守ってきたことがうかがえます。 周囲は公園として整備されていますが、鳥居の年季を感じる石肌に手を合わせると、ここがただの公園の一角ではなく、歴史のある神社なのだと実感できます。

場所

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