最終更新日: 更新日: 2025年7月21日 作成日:2025年7月21日

三匝堂(さんそうどう)・栄螺堂(さざえどう)|江戸時代の巡礼文化を伝える貴重な建築物|西新井大師 總持寺(東京都足立区)

2025年7月19日撮影

西新井大師 總持寺の境内に建つ三匝堂(さんそうどう)は、外観は三重塔のように見えますが、内部は螺旋状の通路で三層を巡る珍しい構造をしています。かつては堂内をめぐることで、多くの仏様を一度に参拝できる巡礼形式のお堂として親しまれていました。

このような構造の仏堂は、江戸時代に関東以北で流行し、「栄螺堂(さざえどう)」とも呼ばれました。現在は内部非公開ですが、当時の巡礼文化を今に伝える貴重な建築物です。

2025年7月19日撮影

現地にある案内板には、以下のように記されています。

登録 昭和57年(1982)12月
この堂は一見三重の塔に見えるが、江戸時代に流行した三匝堂(さんそうどう)で、俗に栄螺堂(さざえどう)と言われる仏堂の一形式である。江戸中期本所の羅漢寺に建てられたものをはじめとして、関東以北の寺院に相当建てられたらしいが、今に残る遺構は非常に少ない。都内では明治17年(1884)改築とはいえこの堂のみで、貴重な建築物である。
堂の内部には、初層に本尊の阿弥陀如来と八十八祖像、二層に十三仏、三層に五智如来(ごちにょらい)と二十五菩薩を祀ってある。現在は本尊が新本堂に移されている。
昔は、ここに参れば一時に諸国の霊場、諸仏を巡拝したのと同じご利益があるとされ、さざえの殻の中のような堂内を初層から三層まで巡拝した。
平成16年(2004)3月 足立区教育委員会

三匝堂の場所|西新井大師 總持寺

三匝堂は、Googleマップでも場所を確認することができます。

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