最終更新日:2014年12月27日 作成日:2007年9月29日 | コメント(0)

デイヴ ペルザー:"It"(それ)と呼ばれた子―少年期ロストボーイ

デイヴ ペルザーの「"It"(それ)と呼ばれた子―少年期ロストボーイ」。3部作の2作目です。

"It"(それ)と呼ばれた子―少年期ロストボーイの説明文(amazonより抜粋)

著者はカリフォルニア州デイリーシティに生まれ、州史上ワースト3に数えられるほどの児童虐待を実の母親から受けた。その前著であるように名前も呼ばれず「It」と言われ、兄弟のうちでただ1人いじめぬかれた。食べ物をぎりぎりまで制限される。服もボロボロになるまで与えられない。ひとりガレージに追いやられ寒さと飢えに苦しむ。そして、ときどき嵐のようにやってくる折檻。「母さんはそのうち自分を本当に殺すつもりだ!」
恐怖が現実味を帯びたとき、彼は全身全霊で命を守る術を考えた。驚くべきことに彼は教師や警官やソーシャルワーカーという他人である大人と、郡の福祉政策と裁判所によって生き延びることができたのである。執拗に彼を破滅させようとしているとしか思えない母親の所業は、このごろ日本でも問題となっている幼児虐待とは違っているように思える。大人になった著者が、母親はアル中で病気だったと自分自身にいい聞かせている。そして母親自身、自分の母親との関係に悩んでいたようだ。
それにつけても、里子に出された著者、が紆余曲折の末、成功したことは賛美せずにいられない。普通の大人になるだけでも奇跡的なのに、アメリカ国民として1人「世界の優れた若者」に選ばれたり、聖火リレーの栄誉を担ったり活躍している。何よりなのは、彼が幸せな家庭を築いたことである。自分にはトラウマがあると思い悩んでいる人はぜひ一読を。(高津紀代子)

"It"(それ)と呼ばれた子―少年期ロストボーイの目次

1.泣きさけぶ天使 2.母さんとの裁判 3.ぼくもふつうの子? 4.父さんに会いたい 5.友だちの裏切り 6.母さんのわな 7.身代わりの弟 8.ぼくの居場所 9.旅立ち

"It"(それ)と呼ばれた子―少年期ロストボーイのレビュー

里子にいっても母親のことを思うので、母親のことを気にしないでって思ってしまう。
少年時代も厳しい状況を繰り返していくのでハラハラします。

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